第1回 キャラクター総選挙の開催が決定!

カスタムメイド3D2、カスタムオーダーメイド3D2に登場する殆どのキャラクターから選挙を行います。 見事1位に輝いたキャラクターには『新規のオリジナルソロダンス楽曲』が与えられる! 是非お気に入りのキャラクターへ清き一票を宜しくお願いします。

投票のルール
■1位に輝いたキャラクターには録り卸しの新規オリジナルソロダンス楽曲のリリースが決定。
■投票は1日1回まで可能です。(0時00分より再投稿可能)

投票期間
■投票開始:8月28日(火)
■投票終了:9月9日(日)23:59迄

ポスター大募集

推しのキャラクターへのポスター大募集! お送り頂いたポスターはKISSにて選定し、その中の1枚が投票日に選挙ポスターとして使用されます。選挙ポスターの投稿、またはご自身でツイッターなどへハッシュタグ『#COM3D2アンドCM3D2総選挙』を付けて応援してください。
※NPC以外のメインメイド(ヒロインタイプ)については、画像はサンプルキャラクターとして掲載しております。ヒロインタイプ(性格)としてご認識下さい。(自分のクラブのメイドとお考え下さい)

ポスター募集について
■ポスターの応募は加工、未加工どちらも可となります。
■画像サイズは横917×縦1280ピクセル、保存形式はPNGに限定。一部切り抜きなどを宜しくお願いします。
■ヒロインタイプ(性格)キャラクターのご投稿につきましては、デフォルトキャラクター限定とさせて頂きます。
■当ポスター応募はツイッターに投稿したものでもご投稿可となります。
■その他の詳細はKISS公式ブログをご覧ください。

ポスター応募期間
■ポスター募集開始:7月30日(月)
■ポスター募集終了:8月26日(日)23:59迄

※不明点などございましたら、以下のご意見フォーム、ご意見対象「カスタムメイド3D2全般」宛に【総選挙宛】と記入の後、ご投稿をお願い致します。以下のブログ記事にご返答ををしてまいります。(必ずしも全てにご返答できるわけではございません)

■ご意見フォーム(※ご意見対象「カスタムメイド3D2全般」の選択、本文への【総選挙宛】の記入は必須となります。)
ご意見フォーム

■質問返答用記事
公式ブログへ

Caution

本キャラクター投票は『俺の考えた最強のメイド』関連のメイドは投票対象外となります。 対象外となるのは、カスタムオーダーメイド3D2本編で登場する紗姫、英奈、さな、シェリティ、梅子、エトワールとCOM3D2で無料配信中のDLC『エキストラメイド集』で登場するエキストラメイド12名。 上記18名のユーザー原案キャラクターは投票対象外となり、投票の対象となるのは全てKISS原案キャラクターとなります。 これは全てのユーザー様に対し平等な状態で投票を楽しんでもらう為のルールであり、『俺の考えた最強のメイド』に対し順位をつける事はご主人様として無粋であると判断し、設定したルールであります。
キャラクター画像をクリックするとショートストーリーを読む事が出来ます。

Entry01

無垢

人を疑う事を知らない、無垢で無邪気な女の子。誰とでもすぐ友達になれる社交性の高さを持っていて、裏表のなさが魅力。

ショートストーリー【無垢】
無垢「いや〜、総選挙、総選挙ですよご主人様!」
ご主人様「はは、なんか嬉しそうだね?」
小さくぴょんぴょんと跳ねる彼女に笑いかけると、数倍の笑みを返される。
無垢「もちろんですとも! 総選挙は、アイドルみんなの憧れですから!」
ご主人様「(それは、どうかなぁ……?)」
何にせよ、喜んでくれたなら何よりだ。
この人気投票の一位になったメイドには、専用の楽曲が贈られる。つまり、ソロ曲というやつだ。
他のメイドたちにも等しくチャンスがあるということで、喜ぶ声や気合に満ちた声がそこここから聞こえてくる。
無垢「でも……なんだかちょっと、いいのかなって感じがしちゃいます」
ご主人様「ん、何が?」
無垢「だってソロ曲が貰えるの、一位の人だけなんですよね? 人数も多いし、もっとチャンスがあっていいと思うんです!」
ご主人様「まあ……確かにね」
なんというか、彼女らしい意見だった。
楽しむなら、皆一緒に……その考えがぶれないからこそ、アイドルでいられている部分もあるだろうから。
ご主人様「それにしても、『いいのかな』なんて……一位取る気まんまんだね?」
無垢「あっ! い、いや、違いますよぉ〜……! 一人だけで、いいのかなって……確かに、一位は取りたいですけど!」
ご主人様「はは……本心が出たね」
無垢「んぐぅ……! こうなったら、やけです! あたし、総選挙で一位、取りたーーーーーーいっっ!!」
大きく叫んで、それからスッキリしたかのような笑顔を見せてくれる。
ご主人様「それでいいんだよ、素直なところが魅力なんだから。応援してるから、全力で頑張ってね!」
無垢「はいっ! 了解でありますっ!」

Entry02

真面目

真面目で仕事ができる、ちょっと規律にうるさい委員長系の女の子。誰に対しても、何に対しても誠実であろうとするが、反面トラブルに少し弱い。

ショートストーリー【真面目】
真面目「ご主人様、総選挙について知っていることを全部教えてください」
ある日の事、俺はメイドに問い詰められていた。
ご主人様「知ってること全部って……それをどうするの?」
真面目「どうするってそんなの傾向と対策を練るに決まってるじゃないですか」
ご主人様「いや、そんな受験じゃないんだから……」
真面目「いいんです、一先ず教えてくださいよ」
ご主人様「うーん、と言っても俺もあんまり詳しくはないからなぁ……」
真面目「そうなんですか? てっきり得票数を得るポイントとか知ってるかなって思ったんですけど……」
ご主人様「そんなの知るわけないじゃないか……」
真面目「うーん、思っていたよりもご主人様が使えなかったですね……どうしたものでしょうか……」
ご主人様「一位になったら自分の楽曲が貰えるっていうのは知ってるけど」
真面目「自分の楽曲ですか!? そ、それはとても羨ましいですね……」
ご主人様「まぁでも一位にならないとダメだから」
真面目「くうぅ……一位になるために話を聞きに来たのに、ただ羨ましさが増しただけになるとはっ……!」
ご主人様「まぁでもあんまり気張ってやるものでもないと思うけどね。選ぶのはみんななんだし」
真面目「それでも一位になりたいじゃないですか!」
ご主人様「まぁその気持ちはわからなくはないけど……」
真面目「そうですね、こうなったら私のアピールポイントと選ばれた際の公約、そしてどれだけ熱意があるのかを演説して……」
ご主人様「本物の選挙じゃないんだから……」
無駄に熱が入ってしまった彼女を見ながら、面白いからしばらく自由にさせてみようかな、と思うのであった。

Entry03

凜デレ

自分の意見をはっきり言う、しっかりと自立した大人のお姉さん。天性の年上お姉さん気質を持っており、男性、女性を問わず慕われる事が多い。

ショートストーリー【凜デレ】
凜デレ「総選挙か。はは、なんだか緊張するな」
いつも通り、ステージの上に立って見渡しながら言うのを聞く。
ご主人様「意外だね。緊張するだなんて」
凜デレ「ご主人様は私をなんだと思ってるんだ? 完璧超人じゃないんだぞ」
ご主人様「(……割と、そうだと思ってたけど)」
ご主人様「でも、『人気で優劣をつけるなんて』って言うとは思ってたよ」
俺の言葉に、小さく頷く。
凜デレ「確かに、その気持ちはあるんだ……人気の差とか関係なく、仲良くやれればいいと思っているのは変わらない」
ご主人様「……そうだね」
本当は、大丈夫だろうかと思っていた。
ファンにとっては、どのメイドであってもただ一人の、大切なメイド。
それに優劣をつけるなんて、傲慢なんじゃないか……と。
けれどその不安を読み取ったかのように、「いいんじゃないか」と言ってくれる。そういった頼もしさは、確かにあった。
ご主人様「ちなみに……何位くらいまでいく自信ある?」
凜デレ「はは、ないよ、自信なんて」
ご主人様「そうなの?」
凜デレ「私はあまり、人に好かれてるとも思っていないし……一票も入らなかったらどうしようって思ってる。不安だよ、凄く」
ご主人様「……そっか」
凜デレ「だからせめて、ご主人様だけは私を応援してくれると嬉しいよ。それだけで私は、頑張っていけそうな気がするんだ」
謙虚に、それでいて少しだけ寂しそうな目で微笑む。
きっと、ドルチェあたりが聞いたらめっちゃ笑うだろうな……と、笑顔を見ていてそんな事を考えた。

Entry04

無口

穏やかで口数の少ない、実娘系甘えたがり文学少女。素直で優しい一面を持っており、自分の趣味の話になると急に饒舌になる。

ショートストーリー【無口】
ご主人様「えっと……総選挙っていうのが、あるんだけど……出たくない、よね……?」
恐る恐る聞くと、怪訝な表情が帰ってきた。
無口「……? でるよ……?」
ご主人様「えっ……あ、出るんだ?」
どうやって参加させたものか悩んでいたけど、意外にも乗り気らしい。
無口「うん……もつ子ちゃんに、誘われたの……うちがいれば、心配いらんよぉって」
ご主人様「はは、そっくりだね」
そういえばいつだかの出来事で、もつ子と仲良くなっていたのだった。対極の位置にいる二人だと思っていたけど、意外と続いているらしい。
無口「ちょっと、恥ずかしい気もするけど……これも経験、だもんね……?」
ご主人様「そ、そうだね! それに、ご褒美もあるし」
無口「ご褒美……小説一年分プレゼント、とか……?」
ご主人様「ほぼ地獄だね、それ……」
全く読まない人基準ならまだしも、文学少女基準で考えると恐ろしい。屋敷が傾きそうだ。
無口「それじゃないとすると……図書館プレゼントとか?」
ご主人様「屋敷に増設するってこと? かなり度胸いりそうだね……ご褒美は専用の楽曲だよ」
無口「むう……本じゃないんだ……ところで、ご主人様は誰に投票するの?」
言われて、どきりとする。実際、迷っていたところではあった。
オーナーとはいえ、投票権がないわけではない。好きなメイドに入れられる……とはいえ、誰に投票するかは悩ましい問題だった。
無口「きっと、私だよね……? ふふ……ありがと、お父さん……♪」
ご主人様「うぐっ……!」
無口「ね……私に投票、しよ……? してくれたら、お父さんの肩、叩いてあげるよ……?」
柔らかく微笑みつつ、俺に詰め寄ってくる。なんとか「オーナーだから」と逃げることができたが、俺の意思は歩く毎にぐらついていた。

Entry05

ツンデレ

思った事をはっきりと口にする、ツンデレな女の子。好きなものは好き、嫌いなものは嫌いという堂々とした、正直な性格をしている。

ショートストーリー【ツンデレ】
ご主人様「もうすぐ総選挙だけど、自信のほどはどう?」
俺が問いかけると、彼女はいかにもという目で微笑んだ。
ツンデレ「ふふ、何を言ってるの、ご主人様。あるに決まってるじゃない」
ご主人様「はは……かなりの自信だね」
ツンデレ「でも自信があるからというよりは、普通に楽しみね。こんなイベント、そうそう無かったじゃない」
ご主人様「まあ、確かにね」
今までメイドはメイド、裏方の存在であって、脚光を浴びることはなかった。
けれど、今は時代が変わったのだ。今ではメイドも店舗を経営したり、アイドルを目指したりする。
今回の総選挙は、そんな時代に合ったものだと言えるだろう。
ツンデレ「見てなさい、ご主人様。アタシが二位に大差……いえ、ダブルスコアで一位を取ってあげるから」
ご主人様「おお……!」
なんだか燃えているのは雰囲気でわかったけど、それにしてもものすごい熱意だ。
ツンデレ「当然でしょ? ふふ、腕が鳴るわね」
ご主人様「期待してるけど……どうしてそんなに? 何かやる気を出す理由でもあるの?」
ツンデレ「ふふっ、アタシは元々、こういうイベントには全力で挑むタイプよ。それに」
と、彼女が強く拳を握る。
ツンデレ「負けらんないのよ……二号店のメイドにはね。先輩として、一人の女として」
ご主人様「……なるほどね」
敵対心を持っているような言葉に反して、その目は楽しげに輝いていた。きっと、こういった競り合いにこそ喜びを感じるんだろう。
ご主人様「頑張ってね、応援してるよ」
ツンデレ「任せなさい! 投票される者として、皆の期待に背くわけにはいかないわ。気合い入れて行くわよー!」

Entry06

クーデレ

言葉少なでクールなメイド。真面目でストイックな考え方をしており、たまに見せる笑顔や素直な言動に魅了される人が多い。

ショートストーリー【クーデレ】
ふと何か声が聞こえた気がしてトレーニングルームを覗いてみると、一人のメイドが熱心にボイトレに励んでいた。
ご主人様「あれ、なんだか珍しいね」
気になって声を掛けてみると、彼女は少し驚きながら振り向いた。
クーデレ「ごめんなさい、集中していて全然気が付かなかったわ……どうしたのかしらご主人様」
ご主人様「ごめん、あんまり邪魔するのもあれかなって思ったから。まぁ特に用事があるわけじゃないんだけど、どうしたのかなって思って」
クーデレ「トレーニングのこと? これはその、少し恥ずかしいのだけれど……」
ご主人様「恥ずかしい理由があるの?」
クーデレ「いえ、そういうわけじゃないのよ。その、今度総選挙があるじゃない?」
ご主人様「あぁ、そうだね。メイドの一位を決める総選挙だね」
クーデレ「それの一位のご褒美を見て、どうにかしないとって思ったのよ」
ご主人様「どうにか?」
クーデレ「ええ、オリジナルの楽曲が貰える時に私の歌唱力が低かったら面目がたたないじゃない」
ご主人様「そうか、もうそんな先のことまで考えているんだね」
クーデレ「え……? あっ、違うわ! そんな自信があるとかそういうのじゃなくて……!」
ご主人様「いや、自分に自信があって、その先まで見越して考えているのはすごいと思うよ」
クーデレ「や、やめて一位になるのを確信していたとかではないの!」
ご主人様「いやいや、そんなに謙遜しないでいいんだよ」
クーデレ「ほ、ほんとに違うのよ。もし万が一があってその時に恥ずかしい思いをしたくないとかそういう……!」
ご主人様「うんうん」
クーデレ「ご主人様! そのニヤニヤした顔を止めて!」

Entry07

純真

健気で仕事熱心な、誠実な女の子。人の役に立つ事が大好き。少しだけ頑固な部分があり、妥協や打算が上手く出来ない一面もある。

ショートストーリー【純真】
総選挙を間近に控えたある日。皆が浮足立っている中、彼女はいつも通り、粛々と掃除を続けていた。
ご主人様「なんだか、落ち着いてるね。総選挙、不安じゃない?」
純真「は……はい。わたし、そういうのに向いてないというか……最初から、ちょっと諦めちゃってるんです」
ご主人様「そうなの? 残念だなぁ、結構上位狙えると思うんだけど」
純真「えへへ……ご主人様がそう言ってくれるだけで、嬉しいです」
なんだか受け答えなどを見る限り、本当に諦めてしまっているように見える。
少し寂しくも思えたけど……その時、俺はあることに気が付いた。
ご主人様「ところで……いつまで同じところを掃除してるの? もう綺麗だけど」
純真「はっ……! あ、いや、これは……」
俺の言葉に、突如として動揺したような反応を見せる。
ご主人様「……もしかして、実はものすごい緊張してる?」
純真「あ、あはははは……そんなこと、ななな、ないですよぉ……」
ご主人様「(急にわかりやすくなった……!)」
普段はメイドの仕事一筋で、休みの日も仕事のことを考えているような子なのだ。
総選挙というダイレクトに人気を問われるイベントのプレッシャーを、仕事でなんとか誤魔化していたのかもしれない。
ご主人様「だ……大丈夫だよ、そんなに緊張しなくても。ほら、深呼吸して」
純真「ひ……ひ、ふぅう……ひ、ひ……ふぅう……」
ご主人様「ラマーズ法……!」
まずい、これはかなり追い詰められている。場合によっては、棄権の自由も認めたほうがいいのではないか。
純真「だ、大丈夫です……! ひ、ひ、ふぅ……わたし、総選挙、がんばりますから……ひ、ひ、ふぅ……」
ご主人様「ほ……ほんとに、大丈夫かな……?」

Entry08

ヤンデレ

一度愛すれば愛が止まらない、ヤンデレ気質のある女の子。普段は穏やかな大和撫子で、人当たりがいい。裏切りさえしなければ……

ショートストーリー【ヤンデレ】
総選挙が開催されることが発表されたが、自分のペースを全く乱さないメイドがいたので話を聞いてみることにした。
ご主人様「や、最近どうだい?」
ヤンデレ「あ、ご主人様。こちらはお変わりなく。それとも何かご不便な思いをさせてしまいましたか?」
ただ様子をみようと話しかけただけだったが、彼女は少し慌てた様子で反応してきた。
ご主人様「ううん、いつも通り快適にさせてもらってるよ。でも逆にいつも通りだったから気になったんだけど……」
ヤンデレ「はい、なんでしょうか?」
ご主人様「今度総選挙があるじゃない。それのメンバーに選ばれたのに、いつもと変わらないんだなって思ってさ」
ヤンデレ「そのことでしたか。メンバーに選ばれたと言っても、いまいち実感がわかないものですから……」
ご主人様「まぁ、確かにそうかもしれないよね」
ヤンデレ「みなさんに評価していただけるのも嬉しいですが、私が一番になりたいのはご主人様だけですので……」
ご主人様「あはは。でも俺はみんなに選ばれて幸せそうにする姿も見てみたいけどね?」
ヤンデレ「ご主人様……ご主人様がそう仰るのなら、私も精一杯頑張らせて頂きますね」
ご主人様「うん、俺も協力するから。それで、もし一位になれたらご褒美に自分の楽曲が貰えるらしいんだけど」
ヤンデレ「自分の楽曲ですか……」
ご主人様そう呟くと彼女は何か考えこむ。
ヤンデレ「そうですね、一応自分の中ではこうしたいと思うものが思いつきました」
ご主人様「それってどんな……?」
ヤンデレ「ふふ、それは実際に私が選ばれた時のお楽しみとしてとっておきましょう」

Entry09

お姉ちゃん

温和で優しく、母性的。いつもやわらかな笑顔を見せてくれる優しいお姉ちゃんで、少しでも困っている相手はすぐ助けてしまうダメ男製造機。

ショートストーリー【お姉ちゃん】
エンパイアクラブ内が総選挙でざわつく中、一人のんびりと掃除しているメイドがいた。
ご主人様「なんだか、落ち着いてるね……総選挙に向けて、準備しなくていいの?」
俺の言葉に、彼女は少し苦笑する。
お姉ちゃん「ううーん……お姉ちゃんは競争とか、そういうの苦手だから……ついでに少しでも投票してくれたら、嬉しいかなぁ〜って」
ご主人様「はは……欲がないね」
この総選挙は、何もただの人気投票ではない。
一位のメイドには「ご褒美」が貰えるということで、ものすごく燃えているメイドが多いというのに。
お姉ちゃん「もちろん、選んで貰えるのは嬉しいよ? けど私は、少しでも私を好きで居てくれる人がいれば、それで十分だから」
ご主人様「……でも、ご褒美は? 欲しくないの?」
お姉ちゃん「欲しくないって言ったら嘘になっちゃうけど、私はここで働けてるだけでご褒美みたいなものだもん」
ご主人様「……実はご褒美が、食べ物だったとしても?」
そう言った途端、穏やかな目に少し欲望が混ざったような気がした。
お姉ちゃん「なっ……何を言ってるのかなぁ、ご主人様は……? そんなに食い意地、張ってないよ?」
ご主人様「そっか……まあ実際、ご褒美は食べ物じゃなくて、楽曲だからね」
お姉ちゃん「そうそう! あっ、そろそろ別のお仕事しなきゃ。それじゃあ……」
そそくさと仕事へ行こうとする背中に、俺はさらに言葉を投げかける。
ご主人様「ああ……ちなみに、一位を取ったら。ご褒美とは関係なく、俺がスイーツを奢るよ」
ご主人様「全国の、甘い物……高いフルーツでも、何でも……好きなものを好きなだけ。どうかな?」
これで動かないなら、仕方ない……そう思ったが、振り向いたその顔は、「甘物」と文字が書かれているかのようだった。
お姉ちゃん「そうだよね、本気でやらなきゃだよね……! お姉ちゃん、頑張るね! 選挙カー借りてくる!」
ご主人様「本当の選挙みたいだね……」

Entry10

ボクっ娘

明るく楽しく人見知りせず、気安い友人のような振る舞いを見せる、意外と乙女なボクっ娘メイド。繊細さや恥じらいも持っているいい子。

ショートストーリー【ボクっ娘】
ご主人様「いよいよだね、自信のほどはどう?」
聞くと、頭をぽりぽりと掻いて恥ずかしそうに笑った。
ボクっ娘「いやぁー……ボクなんかが総選挙一位とか、考えられないよ……えへへ、だから、今回は出なくてもいいかなーって……」
ご主人様「(総選挙に、出場しない……?)」
正直に言って、それは困る。
今回の総選挙は、考えうる限りほとんどのメイドが参加する、一大イベントだ。
一位のメイドには何かしらのご褒美が与えられ、エンパイアクラブ内での人気ナンバーワンの称号が与えられる。
そのため、張り切るメイドも数多く居たが……どうやらこの子は、そうではない部類らしい。
ボクっ娘「ほら、ボク、あれでしょ? あんまり、表舞台に出るって感じでもないし……というか、どうして候補に選ばれたんだろうって感じだし」
ご主人様「いやいや、曲がりなりにもエンパイアクラブの大きな柱の一人だしさ。出てもらわないと困るんだけどなー」
ボクっ娘「え〜っ、またまた〜! ボク一人いなくても、大丈夫でしょ?」
どうやら、この分だと本気で出る気がないらしい。どうしたものかと少し考えて、今度は真面目に言う。
ご主人様「いや……俺は、本当に出てほしいんだ。その……可愛いと思ってるから」
そう言うと、みるみる顔が赤くなっていくのがわかった。
ボクっ娘「もっ……もー、ご主人様ったら! そんなおだてても、何も出ないよー?」
ご主人様「本気で言ってるんだ。一番可愛いと思ってるから……一位を取ってほしい」
ボクっ娘「〜〜っ……! で、でも、ボク……」
ご主人様「多分、投票するみんなもそう思ってるはずだよ」
俺の説得を受けて、しばらく考え込む。それから意を決したように、耳まで赤くなりつつ顔を上げた。
ボクっ娘「むむ……わ、わかった……とりあえず、ボクも……総選挙、やってみる……! そのかわり、最下位になっても知らないよーだ!」
たぶん、そんなことはないと思うけどね……という思いは、心の中にしまっておいた。一位を取ったら、思い切り褒めてあげよう。

Entry11

ドS

ご主人様を弄って遊ぶことに喜びを感じる、ドSな女の子。余裕な態度で人をおちょくり、主導権を握っていく。意外と真面目な一面も。

ショートストーリー【ドS】
その強烈な気配を感じたのは、SMルームの前を偶然通りがかった時だった。
ドS「あら……ご主人様じゃない。何をしてるの」
ご主人様「あ、ああ……ちょっと、散歩をね……そっちこそ、SMルームで何してるの?」
恐る恐る聞くと、当然のように返される。
ドS「今度、総選挙があるんでしょう? その準備よ」
ご主人様「(鞭の準備が必要な総選挙なんてないよ!)」
心の中で突っ込みつつ、渋々SMルームの中に入る。
ご主人様「それにしても……相変わらずすごいな、ここは……」
ドS「そうかしら。鞭、縄、鎖、ギロチン……必要な道具が必要なだけ置いてある、という印象だけど」
ご主人様「これが、必要最低限なのか……」
ドS「ふふ、楽しみね。総選挙……一位なんかに興味はないけど、腕が鳴るわ」
どうして腕が鳴るのか、そこは置いておくとして。
ご主人様「意外だね、てっきり『一位にならなきゃゴミ』とか言うと思ったのに」
ドS「……前々から思ってたけど、ご主人様ってナチュラルに失礼よね。私をどんな人間だと思ってるのかしら」
そのまま鞭を取り出し、軽く振るう。
音速の鞭に潰されて空気の弾ける音がして、思わず体が震える。
ドS「……総選挙というものは、ただ人気を決めるだけではないでしょう。投票してくれる人がいて、その気持ちに私達が努力で応えるものよ」
ご主人様「……まあ、そうだね」
ドS「一位で無くともいいの。ただ、私に投票してくれる人たちに恥をかかせる事だけはできない。だから私は、こうやって準備してるのよ」
ご主人様「なるほどね……」
その格好いい言葉と禍々しい鞭があまりにも釣り合っていなかったけど、それは心の中にしまっておいた。

Entry12

メイド秘書

エンパイアクラブ一号店で、ご主人様を補佐するメイド秘書を務める大人っぽい女性。困った時に頼れる最後の砦。

ショートストーリー【メイド秘書】
メイド秘書「総選挙……私が出ても、良いものなのでしょうか」
一号店のメイド秘書は、そう言って不安そうに首を傾げた。
ご主人様「もちろんだよ。逆にどうして出ちゃいけないと思ったの?」
メイド秘書「いえ……その、私はあくまで、裏方ですから」
ご主人様「でも、メイドでしょ? これはメイドの人気を知るための総選挙なんだから」
やはりというか、相変わらずメイド秘書は謙虚だ。
もしくは、自信がないのかもしれない。
ご主人様「大丈夫だよ、メイド秘書は意外と人気あるからさ」
メイド秘書「えっ……? そ、そうなのですか? 初耳ですが……」
ご主人様「意外とお客様の中にも、『あの子を指名したい』って人が結構いるんだよね」
俺の言葉に、メイド秘書が顔を紅潮させ、恥ずかしそうに微笑む。
メイド秘書「そ……そう、なのですか……物好きなお方も、いらっしゃるものですね……」
ご主人様「それで、どうかな? 俺としても、ぜひ出てほしいんだけど」
問いかけると、少しだけ考え込んでから、やがて覚悟を決めたように顔を上げた。
メイド秘書「……わかりました、あくまで賑やかしということで、あまり宣伝はしなくて結構ですから……」
ご主人様「ああ、頑張ってね」
メイド秘書「その……ちなみに、なのですが。あの子は出るのですか? 藍依は……」
ご主人様「ああ、椎名さん? うん、説得するから、断ってきても出させるよ」
メイド秘書「そうですか……」
そう言って少しだけ微笑んだ目に、どこか嬉しさのような色が混ざった。
メイド秘書「それでは、頑張らないといけませんね」

Entry13

土屋よし子

売れないアイドルのへっぽこドヤ顔メイド。

ショートストーリー【ドS】
エンパイアクラブのトレーニングルームで一人、土屋よし子が黙々とダンス練習をしていた。
ご主人様「精が出るね」
よし子「はっ……オーナーさん! だって、総選挙ですよ総選挙!」
よし子「もともとアイドルだという事に凄まじいアドボンテージがあるボクにとって、もう決まったような話じゃないですか!」
ご主人様「アドボンテージ」
よし子「だからもう今のうちに、ステージの上に立つ為に練習をですね! 勝利後のステージを想定してですね!」
ご主人様「近い近い顔近い」
よし子「いやー、勝ち確ですよ勝ち確。まさかこんな有利な企画が始まっちゃうなんて、あれですかね……みんなボクの事大好きなんですかね!」
ご主人様「それはそうかもしれない」
よし子「?」
ご主人様「ああいや、今までの活動で、少ないけどファンは増えてるんだ」
行き倒れてエンパイアクラブにやってきて、流れでエンパイアリーグで対決。
その後、痴漢を克服したり、学園物のドラマに出たり、一応CDデビューも行った。
土屋よし子とは、地道に少しずつドヤりがちなその性格とは裏腹に……色々な事を積み重ねてきたアイドルなのだ。
ご主人様「だから今度こそ、よし子が選ばれてもいいのかなと」
よし子「オーナーさん……」
ご主人様「……ま、それも全てみんなが決める事だけど」
よし子「そ、そうですよね! まぁ当確なのは間違いありませんが! なはは! あれですよ、当確した時につける赤色の紙の花みたいな奴をもう買っておきましょう!」
ご主人様「あーあれ。買っておこうか」
よし子「今度こそ! 土屋よし子がてっぺんを取るんですから……見ていてくださいねっ!」

Entry14

宮原安祐美

明るくてノリが良く、一緒にいて居心地のいい関西弁の女の子。

ショートストーリー【宮原安祐美】
安祐美「うーん……ううーん……」
ご主人様「どうしたの、ソワソワして」
ぶつぶつと何かを呟きながら、うろうろしているあゆみんこと宮原安祐美を見かけたので、思わず声をかけてしまった。
安祐美「あっオーナーさん。なんや見られてもうたな。いや〜なんか総選挙にうちもエントリーされたって聞いてな〜」
ご主人様「そうだね、されたね」
安祐美「ううっ、やっぱホントなんか……」
俺の言葉を聞いてあゆみんは深くため息を吐いた。
安祐美「自分なんかがこういうんに出るのは場違いやない? 絶対しらけるで、なんかのギャグなんかな……」
そういって一つ一つ吐き出していくあゆみんを見守ると、そのうちまた小さくため息を吐く。
ご主人様「落ち着いた?」
安祐美「うん、落ち着いたわ。ごめんな」
ご主人様「うん、でも聞くところによるとあゆみん結構人気あるらしいからいいとこまでいくんじゃない?」
安祐美「そ、そうなんか? ホンマ?」
俺の言葉に、あゆみんはどこか期待気に聞き返してくる。
ご主人様「うん。普通に一位も狙えると思うよ」
そう聞くと、あゆみんは二、三度深呼吸をして意気込む。
安祐美「よし! いっちょやったる! ご褒美もあるみたいやしな!」
ご主人様「それでこそあゆみん!」
安祐美「ははっ、応援よろしくな!」

Entry15

一之瀬 桜

ぽわぽわ癒し系の世話好きメイド。困っている人がいると見逃せない。彼女の猫耳には触れてはいけない。

ショートストーリー【一之瀬 桜】
ご主人様「桜ちゃんも選挙に出るんだね」
たまたまクラブで仕事をしていた桜ちゃんを見かけて俺は声をかけた。
「うん、出ることになってたね〜」
この一之瀬桜は別のクラブに所属しているメイドだが、こうしてたまにうちのクラブに手助けに来てくれている。
「正直言うとねちょっと恥ずかしいんだけど、私が出る事で喜んでくれる人がいるなら嬉しいな〜」
ご主人様「大丈夫だよちゃんと喜んでくれる人はいるよ」
そう、こうして話している間にも自然と目が引き寄せられてしまうそのおっぱいに喜ばないわけがない。
「ホント? 私需要あるかな〜?」
ご主人様「うんあるあるめっちゃある」
「も〜どこ見てるの? しょうがないな〜」
「あ、それともし一位になったら楽曲がご褒美でも貰えるんだよね?」
ご主人様「そうだね。どんなのがいいのかな」
「みゃーみゃー♪ にゃんにゃん♪ どお? こんな感じ?」
正直それは歌なのかとても疑問だったが、ひとまずは気にしないでおくことにする。
ご主人様「うん、可愛いと思うよ、でもせっかくだからこの機会に新しい事にチャレンジしてみたら?」
「新しいこと?」
ご主人様「うん、ここらでその耳としっぽも取って犬とか狐キャラに転身したり……」
「何言ってるの? 取れないよ?」
ご主人様「ご、ごめんなさい……そ、それよりも一位になったらどうしたい?」
「うーん……せっかくならみんなにい〜っぱい元気と癒しをあげたいなっ!」
ご主人様「出来る出来る、桜ちゃんエロ可愛いし!」
「エロは余計だよ、もう〜」

Entry16

椎名藍依

旧世代のエンパイアクラブのメイドでありながらも、その教養、気品は未だに他の追随を許さない強メガネメイド。

ショートストーリー【椎名藍依】
ついに開催、メイド総選挙。その候補に選出されたことを伝えに言ったのだが……
藍依「……そうですか。誠に申し訳ありませんが、お断りさせて頂きます」
ご主人様「なんで!?」
椎名藍依……完璧をもって良しとするメイドは、柔らかくではあるが、これをばっさりと切り捨てた。
藍依「何故、と言われましても……私がその様な場所に出るのも変ですから」
ご主人様「えぇ……そうかな……それに、皆参加するんだよ?」
藍依「それこそです。皆さんが参加するということは、お仕事に穴が空くという事になりますから」
藍依「ですが、ご安心ください、その穴は私が埋めさせて頂きますので」
ご主人様「い、いや……別に、その時くらいはお休みしても……」
藍依「お心遣い感謝致します。ですが、いついかなる時でも、お客様をお迎え出来る様にしておきたいもので……」
ご主人様「ううん……」
わかっていたことだけど、どうにも強情だ。
気持ちはわからなくもない。椎名さんにとってはメイドの仕事こそが最重要事項。その他の些事には構っていられないということなんだろう。
ご主人様「でもね、椎名さん。今回総選挙を開催したのには、理由があるんだよ」
藍依「理由、ですか?」
ご主人様「椎名さんみたいに、普段頑張って貰っている人に休んでもらう名目……そういう意味もあるんだ」
藍依「……なるほど……そう言ったご配慮であれば参加しないのもご迷惑になってしまいますね……わかりました、参加させて頂きます」
参加してくれるとわかってホッとした次の瞬間、椎名さんがさらに聞いてくる。
ご主人様「あの……この総選挙には、彼女も……メイド秘書も参加されるのですか?」
藍依「メイド秘書? ああ、誘っておいたから。断るようなことはないと思うよ」
ご主人様「そうですか。それは楽しみです。ふふ、少なくとも彼女には負けないようにしないといけませんね」
冗談かもしれないが、珍しく対抗心を見せた椎名さんに思わず笑みを零しながら、そうだねと返すのだった。

Entry17

唐崎 恵

元ヤン、ショタコン、変態の三重苦を背負っている悲しきモンスター。姉御肌なので面倒見はよく、女性(特に年下)にはよく好かれる。

ショートストーリー【唐崎 恵】
一号店の様子を見に行くと、ステージで一人、無言で仁王立ちしていた。
「女、唐崎恵……ようやく、あたしの時代が来たな……」
ご主人様「来てないと思うけどね」
「う、うるさいっ! オーナーは黙っててくれ。とにかく、今回は頑張らないといけないんだ……!」
ご主人様「なんだか妙に気合いが入ってるね。どうしたの?」
そう聞くと、恵は「気合いも入るさ」と拳を握った。
「他でもない、総選挙のことだよ。やるんだろ?」
ご主人様「ああ、恵も候補者の一人だね」
「あたしはそこで、どうしても一位にならなきゃいけない理由がある。勝たなきゃ駄目なんだ!」
気のせいか、恵の赤い髪の毛が炎のように揺らいでいるように見える。
ご主人様「勝たなきゃいけない理由……って?」
「そ……それは、言えない。個人的で、内密な理由なんだ。詮索しないでくれ」
格好良く言い切る恵だが、俺は脳裏にある予感を覚えた。
ご主人様「……もしかして、総選挙で一位になったら、不人気メイドから脱却できるからとか?」
「うっ!」
ご主人様「いや、違うか。一位になったら小さい男の子に人気が出るからとか?」
「んぐっ!」
ご主人様「そもそも、素の人気が無かったら一位になんかなれないと思うけどね」
どうやら、図星が山のように降ってきて全て激突し、体力が尽きたらしい。その場に突っ伏して、しくしくと泣き始めた。
「いいじゃないか、夢を見たってぇ! あたしは小さな……いや、いろんな人に好かれたいんだよぉ……えんえん、おいおい……」
ご主人様「な、なにもそんな、泣かなくても……俺は応援するよ、恵……」

Entry18

西周美琴

まるで宇宙人? 誰も行動が読めない不思議ちゃん。可愛らしい見た目をしているが中身はその実ただのおっさん。

ショートストーリー【西周美琴】
美琴「ふっふっふ、ご主人。聞いて驚け。この私が総選挙のメンバーにノミネートされたぞ」
突然どこからか現れた西周美琴が、ドヤ顔を浮かべながら話しかけてきた。
ご主人様「あぁ、うん知ってるよ」
美琴「なんだ、知ってたのかつまらんな。ご主人様を驚かして遊ぼうと思っていたのに」
ご主人様「いや、流石にそれぐらいは知ってるよ。でも美琴なら結構いい線いけるかもしれないよね」
美琴「それは私をバカにしているのか?」
ご主人様「いやいや、全然馬鹿にしてないじゃん。美琴はポテンシャルがあるからさ」
美琴「ふむ、そうだな。実際私はメイドとしての実力はある。それに可愛い。そしてこの不思議ちゃん。この勝負もう貰ったようなものだな」
ご主人様「急に自身満々になられても反応に困るけど……実際どうなるかはわからないけどね」
美琴「ふむ。私の中ではもはや当確と言ってもいいぐらいなんだが、あと一押しは必要かもしれないな」
ご主人様「そうだね、アピールポイントはいくつあっても困らないだろうし」
美琴「あぁ、思いついたぞ。これなら全員から票を獲得できること間違いない」
ご主人様「そんなすごい策が思いついたの?」
美琴「あぁ。簡単なことだ。審査員全員とセックスすればいい」
ご主人様「えっと、色々と突っ込みたいところはあるけど、ひとまずこれは審査員とかじゃなくて、みんなから投票してもらうものだから」
美琴「そうなのか? まぁでも大して変わらんだろう。五人とセックスしようが百人とセックスしようが大差ない」
ご主人様「そういう問題じゃないと思うけど……」
美琴「まてよ、これだけだとパンチが弱いな……そうだな当選後のアフターセックスまで約束すれば完璧だな」
美琴なら本当にやりかねないな、と思いつつ俺はしっかりと彼女に釘をさしておくことにしたのだった。

Entry19

ギンガ・S・ナメイド

星の数ほど信者がいるという最強メイド。だが蓋を開ければ超絶ドMの変態女。

ショートストーリー【ギンガ・S・ナメイド】
ギンガ「孕みチャンス!!」
ご主人様「帰ってくれ」
ギンガ「来たわ!! 孕みチャンス!!」
ご主人様「帰ってくれ」
ギンガ「ふふふっ……貴方が何かよく分かんない新世代のエンパイアクラブに行った時はどうしようかと思ったけど……」
ギンガ「総選挙とか! ギンガ様以外のクソ雑魚ナメクジメイドの票を一つに集めても! 絶対ギンガ様に勝てないわ!!」
ご主人様「そうかな」
なんかもう、フリに聞こえてくるな。
ギンガ「今からもうギンガ様の素晴らしい楽曲製作に取り掛かっておくと効率的かしらね!!!!!」
ご主人様「圧が凄い」
ギンガ「作曲者はベートーベン? ワーグナー? あ、ドビュッシーにしましょう! 射精音みたいで心地良いわ!」
ご主人様「射精音」
ギンガ「ふふ、乾杯しましょう、乾杯。貴方に下から突っ込んで貰おうかと思っていたウォッカがあるんだけど……」
ご主人様「直腸はほんと危ないからやめようね」
ギンガ「ハラミとウォッカで乾杯ね! あ、ワカメ酒がお望みなら今すぐ脱ぐけど……」
ご主人様「…………乾杯!」
ギンガ「かんぱ〜い!」

Entry20

赤羽悠夏

人懐っこい元気系な女の子。メイドの事は知らなかったが持ち前の健気さで一人前に。

ショートストーリー【赤羽悠夏】
悠夏「えいっ、どーんっ!」
ご主人様「いつも以上に元気いいねゆなちゃん」
俺の姿を見るなり飛びついてきた人懐っこい女の子、赤羽悠夏ちゃん。
彼女のタックルを受け止めて尋ねると、彼女は満面の笑みを浮かべる。
悠夏「そりゃ総選挙のメンバーに選ばれたんだよ! これが黙っていられますか!」
悠夏「うわ〜! もし私が一位になったらどうしよ〜! センター? やっぱりセンターなのかな?」
悠夏「今からダンスレッスンちょー頑張って、ボイトレもちょーして……あっ! 今からしよう! って事でカラオケ行こう!」
ご主人様「ゆ、ゆなちゃん! 一回落ち着いて!」
怒涛の勢いで話しかけてくるゆなちゃんを一度落ち着かせる。
ご主人様「まだ決まったわけじゃないんだからそんなに焦っても、ね?」
悠夏「え〜! いいじゃん夢見るくらい〜! ソロ楽曲だよ! ゆなの歌なんだよっ!」
ご主人様「うん、わかったわかったからとりあえず落ち着こう」
必死になだめると、ゆなちゃんも少し冷静さを取り戻した。
悠夏「でも、実際そうなったら楽しそう!」
ご主人様「まぁ、そうだね。でも選ぶのはみんなだからね」
悠夏「それはわかってるよ〜」
悠夏「でももし、ゆなのそーぞー通りならいっぱいレッスンしないと〜……もちろん個人レッスンで……ね?」
ご主人様「そ、それなら今すぐに……!」
悠夏「えー? だってみんなが選ばないとなんでしょー?」
ご主人様「くっ……それはそうだけど」
悠夏「でも、ご褒美とかジョーダンとか抜きに、少しでもゆなの事選んでくれる人がいたら本当に嬉しいなっ♪」

Entry21

椎名 凛

最強メイド椎名藍依のご主人様。オーナーとメイドを自ら務める多才さだが、年齢はかなりいっているという噂。

ショートストーリー【椎名 凛】
ある日椎名凛さんから突然呼び出しがかかった。一体何事かと思いながら顔を出すと、顔を見るなり凛さんは誇らしげに言った。
「私も総選挙にでるのよ!」
ご主人様「あなたも出るんですね」
「当たり前じゃない! 私が出なきゃ始まらないでしょ?」
さも当然かのように言う凛さんだが、俺はある噂を耳に入れていた。
ご主人様「あの、噂では無理矢理ねじこんだって聞いたんですけど……」
「何か問題でも?」
ご主人様「い、いえ……」
あまりの迫力に何も言えなくなってしまったので、話題を変えることにする。
ご主人様「それで俺が呼ばれた理由って何なんですか?」
「あぁ、ちょっと相談なのだけど……まぁ、私が一位になるのは当然として、楽曲をどんな方向性にするかなのよね〜」
ご主人様「えっと、選ぶのはみんなですし、まず一位になれるかわからな……」
「私を選ばない理由なんてないでしょ? 何言ってるの?」
俺の言葉を遮って自信満々に言う凛さん。
「ふふふっ! 久しぶりにこの椎名凛の時代が来るわよ! 楽しみねっ!」
ご主人様「久しぶりに……?」
「で、どんな楽曲がいいかしら?」
ご主人様(楽曲も凛さんが決めるわけじゃないんだけどな多分……)
だがウキウキとしている凛さんにその事実を告げることは出来ずに、俺は彼女の話にただ頷くのであった。

Entry22

犬乃レオ

人懐っこく可愛らしい、ロシア生まれの忠犬っ娘。大好物はジャーキーで、お願いするとロシア語で喋ってくれる。

ショートストーリー【犬乃レオ】
レオ「ますたー! ますたー! げんきー?」
ご主人様「あはは、よーしよしよし。元気だよ、レオ」
文字通り犬のように駆け寄ってきた犬乃レオちゃんを受け入れ、首のあたりをわしゃわしゃしてやる。
レオ「хорошо!」
ご主人様「お、生ハラショーだ」
レオちゃんは以前、俺がバカンスへ行った時知り合ったロシアっ娘だ。
レオちゃんを一言で表現するなら、犬みたいな子。とにかく俺によく懐いてくれて、愛らしいのだった。
レオ「ね、ね、ますたー! 総選挙、ってなに?」
ご主人様「あれ、聞いたの?」
メイド同士で行われる、総選挙。レオちゃんも、その参加者のひとりだった。
別にやることはただの人気投票なので、メイドたちが実際に何かをする必要はない。そう思って、レオちゃんには伝えずにいたんだけど。
レオ「ますたー、レオ、何かする? なんでも手伝う!」
ご主人様「ああ……」
どうやら、裏方だと思っているらしい。まあ、普通はそう思うかな。
ご主人様「今回、レオちゃんは何もしなくていいんだよ。投票される側だから」
レオ「……? むむ? つまり?」
ご主人様「つまり……そうだなあ、何もせずに待って、結果が良かったら……ジャーキー食べ放題だよ」
レオ「!!!!!!」
レオちゃんが多大なるショックを受けたようで、軽くふらりとする。
レオ「じゃーきー食べ放題……なにも、せずに……? つ、つみぶかい……働かざるもの、くうべからず……」
ご主人様「だ、大丈夫だから! 裏とか無いから!」
レオ「ほんと? レオ、ただ養われるだけの駄メイドじゃない……?」
なんていい子なんだ。こもりちゃんに爪の垢を煎じて飲ませた上で腹パンしたい。
レオ「それなら良かった! ますたー、何か手伝えることがあれば、レオに言う!」
ご主人様「うん、よろしく」

Entry23

星野沢まこ

クセとアクと下ネタの強い残念系お姉さん。男性に対して異様なほどの理解力を示し、受け入れる様はまさにおっさ……お姉さん。

ショートストーリー【星野沢まこ】
総選挙ということで続々とメイドたちが集まっていく中、また懐かしい顔が現れた。
まこ「ふぃ〜、懐かしい顔ぶれがあるねぇ? 久しぶりに俗世に帰ってきた気がするよぉ」
ご主人様「ああ、久しぶり……まこさん」
彼女……星野沢まこさんは、以前バカンスへ行った際、南の島で出会った残念なお姉さんだ。
まこ「こらこら、なーにが残念なお姉さんさ。つれないなぁ」
ご主人様「なんだか、ずいぶん久しぶりな気がするけど……どこ行ってたの?」
そう聞くと、まこさんは古い思い出を回想するかのように指を回してみせる。
まこ「それがねえ……ちみたちが帰ったあと、私もまた日銭稼ぎに何回か行ったのさ。けど……」
ご主人様「けど?」
まこ「その途中で、嵐に巻き込まれちゃってねぇ。気付けばまた南の島にカムバックだよ。遭難だよ、大人のオモチャと二人っきりで」
ご主人様「えぇ……そうだったのか」
なんというか、想像以上に波乱万丈な人生を送っているな、この人は。というか、大人のオモチャ持って行ってたのか。
まこ「そうなんだよ、ぬはは! 遭難だけに!」
ご主人様「ぬははじゃないけどね……」
まこ「ま、こうして久方ぶりに日本に帰ってこれた訳だし? 総選挙、張り切って参ろうかね」
ご主人様「あれ、まこさんも総選挙に参加するの?」
まこ「こ〜ら〜、だ〜れが今まで消えてたせいで存在感ゼロメイドだぁ〜?」
ご主人様「言ってないのに……!」
まこ「ま、せっかくのイベントだしさ! それよりさ、それよりさ……」
ご主人様「?」
まこ「ひっさびさに会ったんだし、ちみ……今からしっぽり、どうかね? なんて……んふふ」

Entry24

和寒陽菜々

イベントで絶大な人気を誇るネットアイドル。あまり知られていないが歌もかなり自信あり。

ショートストーリー【和寒陽菜々】
陽菜々「あっ! こっちこっち〜!」
和寒陽菜々に呼び出され、約束の場所へと近づくと大きな声でこちらに呼び掛けてきた。
ご主人様「ごめん、ちょっと待たせたよね。それで話って?」
少し遅れたお詫びを兼ねて買ってきた飲み物を手渡しながら、陽菜々が腰掛けているベンチに並ぶ。
陽菜々「大丈夫だよ。それでなんか総選挙? っていうのに参加って言う手紙が来たんだけどこれってほんとなのかって思って」
ご主人様「ああ、そのことか。うん、ほんとだよ」
陽菜々「そっかー、これって実際どんな感じなの?」
ご主人様「えっと、普通のアイドルの総選挙みたいな感じで、その中から一位に選ばれるとソロ楽曲が与えられるってものなんだ」
陽菜々「そうなんだ、なんか楽しそうだね」
ご主人様「お、結構乗り気な感じ?」
陽菜々「まぁイベントごとが好きってのもあるんだけど、なっひーとしてだから割と気楽に参加できるってのが大きいかな」
ご主人様「違う自分として〜って感じだから?」
陽菜々「どちらかと言えばもう一人の私ってかんじかな? それをいわばプロデュースしていく感じに近いので面白いと思います!」
ご主人様「なるほどねぇ」
陽菜々「それに私は見ての通りですが歌に自信があります!」
ご主人様「見ての通りかはわかんないけど、上手いんだ?」
陽菜々「そりゃもう自信ありますよ〜」
ご主人様「じゃあ一位になれるといいね」
陽菜々「そうだね、是非! 和寒陽菜々……ううん、なっひーを宜しくお願いしますぴよ♪」
そう言ってキメ顔を作った彼女をどうしたんだろう、と思いつつも頑張ってねと激励してあげるのだった。

Entry25

箱入パトラ

超名家で育った箱入り娘。あまりの箱入りっぷりに両親からも心配されてしまう始末。

ショートストーリー【箱入パトラ】
パトラ「旦那様、式の日程ですが……」
ご主人様「待って、今日の話はそうじゃなくて」
パトラ「あら、そうですの? せっかくなまら分厚い結婚情報誌を持ってきましたのに」
ご主人様「うわぁ分厚い……えっとね、実は総選挙をする事になって——」
かくかくしかじか。
パトラ「……私の国の国民に投票権はありまして?」
ご主人様「そうだった! 数だけで言えば無敵のパトラちゃんじゃん! え、えっと、流石にそれは……」
パトラ「残念ですの。まぁ、一国の王女たるもの、実力で一位をもぎとれば良い事です」
パトラ「うぅん、しかしド庶民の皆様に私の魅力が伝わるのでしょうか……?」
ご主人様「投票して頂くみんなにド庶民は……」
パトラ「ド庶民の皆様に言葉を選び、誠心誠意ド庶民の皆様に愛されるよう、頑張りますの」
ご主人様「もういいやそれで」
俺は楽曲の説明を行う。
パトラ「なるほど……曲を作ってくれるのですね。それなら、作詞は旦那様にお任せしてよろしいでしょうか?」
ご主人様「え、俺?」
パトラ「……はい。旦那様からの愛の言葉をお待ちしております。そうでもしないと、素直になってくれないでしょう?」
ご主人様「て、照れるな」
パトラ「……正直、他のメイドに勝てる気はしませんが、旦那様の愛の言葉を頂けるのであれば尽力しますの」
ご主人様「パトラちゃん……」
そういう不意打ちは止めて頂きたい、可愛い。
パトラ「……あ、思い出しました、サインを頂きたい書類がありまして、さらさらっとこちらに……」
ご主人様「はいはい……ってこれ、婚姻届けじゃねーか!」
パトラ「ちっ……ですの」

Entry26

土豆瑠璃子

イタリア人と日本人の間に生まれたハーフのバリスタ見習い少女。コーヒーは吐くほど苦手なのにそれでも根性で飲む。そして吐く。

ショートストーリー【土豆瑠璃子】
空いた時間を見計らって、俺は近所の喫茶店へと向かう。
瑠璃子「いらっしゃいませー! あ、おじさん!」
扉を開けるなり、元気な声が聞こえる。この喫茶店のオーナーを若くして務めている、土豆瑠璃子(どとう るりこ)だ。
瑠璃子「こっちに来るなんて久しぶりじゃない、お仕事の調子はどう?」
ご主人様「ぼちぼちだね。瑠璃子は?」
聞き返すと、瑠璃子は胸を張った。
瑠璃子「もちろん、絶好調よ! 見てて、コーヒーも克服したの!」
上機嫌でコーヒーを持ってきて、一気に飲み干す……途中で、瑠璃子の顔がみるみる青くなっていく。
瑠璃子「おえーっ! げっほ、げっほ、おえっ……!」
ご主人様「うわ、タオル、タオル……!」
慌てて従業員が飛んできて、瑠璃子の吐いたコーヒーを拭く。やっぱり、相変わらずみたいだった。
少し落ち着いたところで、本題を切り出す。
瑠璃子「……総選挙?」
瑠璃子はエンパイアクラブで修行しているが、やはりメインは喫茶店だ。なので、この話も知らない。
詳しく説明してやると、瑠璃子はわかったようなわからないような顔で頷いた。
瑠璃子「へぇ〜……なかなかすごいことするね。大変だなぁ」
ご主人様「ああ、だから瑠璃子も頑張ってね」
瑠璃子「……? どうして、わたしが頑張るの? あ、もしかして総選挙でお客さんが一杯入るとか!? それなら頑張っちゃうよ!」
ご主人様「いや、瑠璃子も候補の一人だから。いっぱいアピールしたら、一位になれるかもよ?」
瑠璃子はそれを聞いて、一泊置いて、さっきのように顔を青くしていって。
瑠璃子「いやいやいやいやっ! 無理だって、おじさんっ! わたし、絶対人気とかないよ〜っ!」
喫茶店の店内に、金切り声が可愛くこだました。

Entry27

引谷こもり

基本は家から出たくない引きこもり少女。最近ガチャで爆死したのでリベンジしたくてしかたないらしい。

ショートストーリー【引谷こもり】
こもり「んぎゃーーーーーー!! 爆死したーーーーーーーーー!!」
ご主人様「いつも通りだね、こもりちゃん」
こもり「なぁあああにがピックアップじゃーーー!! いい加減天井をだなーーー!!」
ご主人様「白熱してらっしゃる」
こもり「…………はぁ、お兄ちゃん……なに? なんなの? 仕事サボってガチャ回してるの……何が悪いの?」
ご主人様「悪い事しかない」
こもり「こもりははもう閉店。もうやだ。給料日までお茶漬け……いや、お茶漬けも食べられないから」
ご主人様「えっとだな、総選挙のお知らせをだな……」
かくかくしかじか。
こもり「はーーーーー!? ダルダルのダルなんですけど! 何でこもりがそんな事しなくちゃいけないの!」
ご主人様「スッ……(よくコンビニで売られている数字の書かれたカードを差し出す」
こもり「で!? 何をすればいいの!?」
ご主人様「まぁ、もし間違ってこもりちゃんが一位になったらしっかりダンス踊ってね」
こもり「…………ほ、報酬は?」
ご主人様「今渡したがな」
こもり「もっと! ワンモア! 推しの☆5が出そうな気配なので!」
ご主人様「しょうがないなぁ、もし一位になったら経費で落とすから、出るまで回していいよ」
こもり「んほぉおお! 神様仏様お兄ちゃん様! その時はおっぱい揉んでいいよ!」
ご主人様「楽しみにしとくよ」
こうして引谷こもりは総選挙への出馬を決めるのであった。

Entry28

谷川里衣奈

人気アイドルグループ『パンプキンガールズ』の元リーダー。真面目さが売りの清純派だが、脱退後は海外の映画に出演する実力派女優として活躍している。

ショートストーリー【谷川里衣奈】
東京国際空港——
久しぶりに日本へ戻ってきた私<谷川里衣奈>は、空港のカフェで思いもよらぬ女性と再会した。
マリ「しばらくね、里衣奈。向こうでは随分と活躍だったみたいじゃない? もとマネージャとして鼻が高いわ」
そう言って遠慮なく私の前に座った30代の女性は、御子柴マリさん。
私が『パンプキンガールズ』というアイドルユニットに所属していた頃のチーフマネージャーだった人だ。
里衣奈「マリさん、私に用事があるのなら単刀直入に言ってもらっても大丈夫ですよ? まわりくどい言い方なんてらしくありませんから」
マリ「あら、いいの? あんなことがあったんだし、一応は遠慮してるつもりなのよ?」
あんなこと……そう。私はとある出来事を境にパンプキンガールズを脱退し、演劇の勉強をするため海外へと旅立ったのだ。
里衣奈「私、あのことはもう気にしていませんから」
マリ「そう……相変わらず強いのね。だったら単刀直入に言うわ。もう一度、私とアイドルを目指してみない?」
そう言ってマリさんは、1枚の紙切れを私に差し出した。
それには、とあるメイドクラブが主催する総選挙と呼ばれる人気投票の詳細が書かれている。
マリ「それは、いま勢いがあるアイドルを輩出しているメイドクラブが主催のイベントよ。優勝者には楽曲が提供され、大ステージでワンマンライブを開催することができるわ。谷川里衣奈、再デビューの舞台としてきっと話題になる」
マリさんは真剣な眼差しで私を見つめる……やり方はともかく、この人の仕事への情熱は本物だということを私は知っている。けれど……
里衣奈「すみません、マリさん。せっかくですけどお断りさせて下さい。私には、もうその資格はありませんから……」
マリ「あら? 吹っ切れたって割には引きずってるのね。カメラマンやスタッフに、あんな好き放題にされた姿を撮影されたんだもの、当然と言えば当然かな」
忘れようとしていたあの時の出来事が一瞬、私の脳裏を過ぎる……
マリ「まあ、アタシが偉そうな事を言えた義理じゃないわね。でも1つだけ言わせてちょうだい……」
マリさんは、私の目をしっかりと見つめて言う……
マリ「里衣奈、アイドルの資格があるかどうか自分で決めるなんて傲慢よ。アナタの復活を待ち望むファンはちゃんといる……きちんと向き合い、投票でみんなに決めてもらいなさい」
その言葉を聞き、今までもやっとしていた感情に答えが出たような気がした。演技に打ち込むことで、私はあの出来事から逃げていただけなんじゃないのかという思い。たぶんマリさんは、その感情に区切りをつけさせてくれようとしている……
里衣奈「……わかりました。どこまでできるかはわかりませんけど、このお仕事……お引き受けします」
こうして私は、再びステージへと上がるため総選挙出馬を決意した。
私が本当にアイドルとしての資格があるのかどうか、みんなに決めてもらうために——!

Entry29

如月エマ

エンパイアクラブ二号店のメイド秘書として、メイドたちの世話や主人公の補佐をする軍人系女子。意外と優しい一面も持っている。

ショートストーリー【如月エマ】
二号店のメイド秘書こと、如月エマは……一人壁に向かって、ぶつぶつと何かを呟いていた。
エマ「……なんで……あれが……それを……あれを……何が……て……この……」
ご主人様「(……こ、怖い……)」
もう総選挙の開催を決めてから、ずっとこんな感じだ。
大方、自分が候補に入っていることが気に食わないのだろうが……他のメイドからなんとかしてくれと言われてしまったので、ひとまず声をかける。
ご主人様「ええと……どうしたの? ぶつぶつ言って……」
エマ「ああ……ご主人様ですか、お疲れ様です」
エマはいつも通り挨拶してきたが、すぐにぶつぶつに戻ってしまった。
エマ「だいたい……が……で……なんて……」
正直、ものすごく怖い。しかし他のメイドも普段から厳しいエマには口出しできないため、俺が言うしかない。
ご主人様「ええと……何かあったなら、聞くよ? 悩みとか……」
エマ「悩み……? 総選挙で候補に選ばれてしまったこと以外に、悩みがあるとでも?」
ご主人様「あ、はい……」
やっぱりそうだったか。とはいえ、ここまで取り乱すエマは珍しい気がする。これはこれで新鮮だ。
エマ「くそ……あのメイドたち、絶対普段の仕返しで、私を貶めようとしてるな……総選挙で下位になった私を笑うために……」
ご主人様「はは、まあまあ……そんな子いないよ」
エマ「くぅ……! なぜ、私は総選挙に参加することになってしまったのか……教えてください、ご主人様……」
ご主人様「(……俺が、勝手に登録しておいたからかなぁ……)」
だって、エマが専用楽曲で恥じらいながら踊る所、見てみたいんだもの。
エマ「……何か言いましたか、ご主人様?」
ご主人様「いや、なんにも? とにかく期待してるよ、頑張ってね」
エマ「頑張りたくないんです……! くそ、いっそ0票になれ……!」

Entry30

酒井 天

どこに居ても酒を常備している、とろふわ系お酒大好きお姉さんメイド。はんなりとした京言葉を使う傍ら、やや毒のある発言も。

ショートストーリー【酒井 天】
「はぁ……このお酒、美味しいわぁ……虜になってしまいそ」
ご主人様「……ものすごい余裕だね、天ちゃん」
総選挙ということで各々の様子を見て回っていた俺は、バーで一人酒を飲む、天ちゃん……酒井天(さかい そら)ちゃんの姿を見つけた。
ご主人様「もう総選挙、始まっちゃうよ? お酒飲んでて大丈夫?」
「ふふ……わかっとらんなぁ、旦那はん……うちはなんぼかお酒入っとった方が、本調子やさかい……」
ご主人様「と言いつつ、もうトロトロになってるじゃないか……」
本当にこのままで、総選挙は大丈夫なんだろうか。
「だーいじょーぶ、むしろ素面でおるほうが、何するかわからんくて怖いわぁ……んふ……」
ご主人様「……ええと、意気込みを聞いていいかな?」
「意気込みぃ……? ううーん……」
ふらふらと動く頭で少し考え込んで、天ちゃんはポンと手を叩いた。
「二十四時間耐久、居酒屋居座り飲酒マラソンで優勝する! ……とか、どおやろ?」
ご主人様「できれば、総選挙の意気込みで……」
「んぅ……いけずぅ……そおねぇ、総選挙……」
「…………」
「…………ぐう……」
ご主人様「寝ちゃったよ!」
「んふふ、旦那はん、ツッコミうまぁい……んふ、んふふ……」
ご主人様「そんなに上手くないけどね……というか、え、ほんとに寝ちゃうの?」
「寝ちゃう……んふ、旦那はん、代わりに宣伝しといてぇな……ええやろ……? ぐう……」
自由人だなぁ……と思ったけど、これも天ちゃんのいいところなのかもしれない。俺はそのまま天ちゃんを放置して、仕事に戻った。

Entry31

大森まゆみ

際どい妄想をよくしてしまう、ベクトル違いの乙女メイド。男性同士の清廉潔白なお付き合いを好む傾向にある。鳴き声はデュフフ。

ショートストーリー【大森まゆみ】
まゆみ「…………総選挙……かぁ……」
一大イベントの開催を前に、エンパイアクラブ随一の腐女子こと大森まゆみは唯一人、冷静に状況を観察していた。
ご主人様「どうしたの、まゆみ? テンション低いね」
まゆみ「えっ、ええええっ? い、いや、私はそんな……デュフ……!」
そう言って笑うが、なんだか無理やりテンションをひねり出したように見えなくもない。
ご主人様「別に、無理せずに言ってくれて大丈夫だよ? 総選挙に出たくないとかさ」
まゆみ「あっ、えっ、いやいやいや! 別にっ、私総選挙が嫌とかじゃないですよっ?」
ご主人様「そうなの?」
まゆみ「なんというか……その、お楽しみの部分がないかな……というか……?」
まゆみはもじもじとしつつ、体をくねらせながら言いにくそうに続ける。
まゆみ「だって……この総選挙、女性のメイドだけなんですよね?」
ご主人様「ああ……」
なんとなく、言いたいことがわかる。
ご主人様「つまり、男同士の絡みが見たいってことでしょ? 相変わらずだなぁ」
まゆみ「んふっ、す、すみません……趣味なんで……そういうわけだから、ちょっとやる気が出ないんですよね」
ご主人様「なるほどなぁ……」
気持ちはわからくもないけど、なんとかやる気を出してもらわないと困ってしまう。まゆみを惹き付ける、ものといえば……。
ご主人様「じゃあ……もしまゆみが一位を取ったら、まゆみの言うことをなんでも聞くよ。どんな命令でも……ね。どう?」
まゆみ「ん? ……えっ! ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、どんな、命令でもっ、ですかッ!? お客様と絡めとか、そういうことでもッ!?」
ご主人様「ぐ……あ、ああ。男に二言はないよ」
まゆみ「おっっほ! わかりましたッッ! 大森まゆみ、一位を獲りに行きますッ!」
頑張ってねと言いつつ、その場を離れる。
さて……どうすれば、一位になるのを妨害できるだろうか……?

Entry32

水無月ゆめ

可愛い女の子に目がないテンション高めの百合メイド。可愛い女の子の髪の毛なら食べてもいいかな、と思っている。

ショートストーリー【酒水無月ゆめ】
ゆめ「YATTAーーーーーー!!!」
ご主人様「ど、どしたの?」
ゆめ「YATTA!!! YATTA!!!」
ご主人様「落ち着け」
ゆめ「総選挙! 人気投票! 一位に選ばれたメイドには! 専用楽曲!」
ご主人様「解説ありがとう」
ゆめ「なんとかして凛空ちゃんに8兆票ぐらい入れる事できないですかね!」
ご主人様「できないですけど」
ゆめ「残念! まぁでも誰が選ばれても水無月的には美味しいですけどね! じゅるり!」
ご主人様「そんな事言って、自分が一位になったらどうするの」
ゆめ「無い無い、誰がクソ百合三白眼淫乱ピンクに投票するんですか、頭おかしいでしょ!」
ご主人様「そんなに卑下しなくても……」
ゆめ「くっくっく……メイドさんの残り湯ゴクゴクできるだけでも幸せなのに……ああ、専用楽曲……尊い……」
ゆめ「ゆめとっ……とっ……とっ……トーティィイイイイイイイイイ!!!! YATTA!! YATTA!!!」
ご主人様「跳ねるな跳ねるな」
ゆめ「あ、でももし一位になったら自由に百合ックスできる権利とか貰えるなら死ぬほど頑張りますけど……」
ご主人様「人権!」
ゆめ「ですよねー! いやー楽しみです! たーのすぃーーー! うっひょーーーー!!」

Entry33

小野蔵結花

カワイイは正義。あざとい仕草の小悪魔系。なかなか落ちないオーナーに少しヤキモキしている。

ショートストーリー【小野蔵結花】
結花「聞いてくださいよ、オーナーさぁん。」
普段助っ人として働いてくれている小野蔵結花ちゃんが、いつもと同じようにぽんわりと話しかけてきた。
ご主人様「結花ちゃん。どうしたのかな?」
結花「今度総選挙があるらしいじゃないですかぁ。なんだかそれのメンバーに私が選ばれたって聞いたんですよ〜」
ご主人様「うん、そうだね。結花ちゃんなら選ばれてもおかしくないからね」
結花「えぇ〜? それってどういう意味ですか?」
ご主人様「結花ちゃんは可愛いから」
結花「そんなことないですよぉ。それにすごく不安なんです……」
ご主人様「不安? どうして?」
結花「だって、私なんかに投票してくれる人なんて……」
ご主人様「みんな入れてくれるって! 結花ちゃんはみんなに」
結花「ホントですかぁ……? うふふ、まだちょっと不安ですけどぉ、オーナーさんがそう言ってくれるなら」
ご主人様「うん、その調子だよ! もし一位になれたらご褒美もあるらしいからね」
結花「ご褒美ですかぁ? それってげんきん……えっと、元気になれるお菓子とかですかねぇ?」
ご主人様「あはは、そんな可愛らしい感じでもないけど、かなり豪華なご褒美って噂だよ」
結花「そうなんですか〜あ、ごめんなさいお仕事思い出したのでちょっと失礼しますね」
ご主人様あ、うん。総選挙、頑張ってね」
結花「豪華なご褒美……なんとしても欲しいなぁ。でもさっきのオーナーさんみたいに落としてけば余裕かも……」
結花「ふふっ、楽しみだなぁ」

Entry34

放出もつ子

ノリと勢いでいろいろ乗り切ろうとする、爆乳関西娘。意外とピュアで、スカートめくりとかされたら泣いてしまうタイプ。

ショートストーリー【放出もつ子】
もつ子「はい! うちが巷で話題のスイカ農場、放出(はなてん)もつ子です! お呼ばれしました〜!」
ご主人様「いや、呼んでないんだけど……」
相変わらず、元気な子だ。
もつ子はうちのエンパイアクラブのムードメーカー的な存在で、常に誰かとお喋りしている。
今回の総選挙でも、真っ先に参加を表明した中の一人だった。
もつ子「いやぁ〜、総選挙ってアピールが大事やんな? どうしたら上手く掴めるかなー思てん」
ご主人様「へえ……なかなか頑張ってるね」
もつ子「そらせやろ! なんてったって、一位はご褒美貰えるんやろ?」
もつ子「貰えるもんは貰とく! それがうちのモットー、座右の銘ってやつやし」
ご主人様「なるほどね……」
まあ、やる気を出してくれるのは嬉しいことだった。
実際、もつ子が積極的に働きかけてくれているお陰で、性格的にこういうイベントには参加しないような子まで参加してくれている。
ご主人様「まあ、助かるよ。そのまま頑張ってね」
もつ子「えーっ、ちょっと待ってやオーナーさん! 何もアドバイスしてくれへんの?」
ご主人様「アドバイス? と、言われても……」
もつ子「ほら、あるやん? こうしたら票が入りやすくなるとか、そういうコツ! なんでもええから教えてや!」
ご主人様「票が入りやすくなる、コツ……ねぇ……」
言いつつ、もつ子の体の一点を見つめる。
もつ子「ちょ……ちょ、ちょちょちょ! オーナーさん、どこ見とるん!?」
ご主人様「いや……『そこ』を使えば、出るんじゃないかなぁ……人気。自分でスイカ農場とか言うくらいだし、ねえ」
もつ子「自分でネタにするんはええけど、弄られるんは嫌やぁ! ちょ、こらっ……! 近い近い、顔っ……こらぁ〜っ!」

Entry35

七号

正体不明の無機質チックメイド。戦闘能力がずば抜けているらしく、世界観から微妙に外れているのが魅力だとか。

ショートストーリー【七号】
ふとトレーニングルームの前を通りがかると、少し空いた扉から七号のダンスを踊る姿が見えた。
ご主人様「お、ななちゃん。ダンスの練習かな?」
人気を得るためには、ダンスの能力なども上げておいて損はない。しかし七号は首を横に振った。
七号「主殿……いえ、練習というよりは、確認をしていたのであります」
ご主人様「確認?」
七号「自分には練習という概念がないのであります。記憶媒体にインプットして、確認するだけであります」
ご主人様「ほーん」
また七号が変なことを言っているな。
この子はたまに、まるで自分がアンドロイドか何かであるかのような発言をする。
握力が500あるとか、目からビームを出せるだとか……毎回冗談だと思って笑っているけど、どうやら本人としては本気らしい。
七号「近々、総選挙という催しがあると聞いたものでありますから……念の為、動作確認をしていたであります」
ご主人様「熱心だね。やっぱり一位にはなりたいかな?」
七号「イエッサー。ご褒美というものに、興味はないでありますが……常に頂点たれと厳命されているであります」
ご主人様「(誰に……?)」
とにかく、熱心なのはいいことだ。皆のボルテージも引き上げられる。
七号「それで、その大会はいつ開催でありますか」
ご主人様「大会?」
七号「メイドの強さを決める大会……だと聞いているであります。ご安心を、非殺傷の格闘術は先ほど動作確認が終わったでありますから」
ご主人様「違うよ!? というかさっきの、ダンスじゃなくて格闘術だったの!?」
七号「ふふふ……腕が鳴るであります。ちなみに主殿、ビームは飛び道具に入るでありますか?」
バナナはおやつに入りますかみたいな聞き方をする七号に総選挙の趣旨を説明するのに、それから小一時間かかった。

Entry36

山吹ドルチェ

三度の飯より金が好きな、お金大好きっ娘。ただし実際に金を持っているというわけではなく、常に微妙な金欠にあえいでいるという。

ショートストーリー【山吹ドルチェ】
ドルチェ「来 た わ ね ! ド ル チ ェ の 時 代 が !」
ご主人様「うるさっ……! なんだ、いきなり……!」
山吹ドルチェ。金の亡者、成金の擬人化、貯金箱の魔神。所持金150円。
俺の目の前に突如として現れたのは、そんな子だった。
ドルチェ「ふっ……金の気配が強すぎて、つい負けじと大声を出してしまったわ」
ご主人様「頼むから、エンパイアクラブの金には手出さないでね」
ドルチェ「そ、れ、よ、り! 聞いたわよ!」
ご主人様「うっせ! 何を聞いたの?」
俺の鼓膜を破らんとする勢いで顔を寄せてくるドルチェに、思わず距離を取る。
ドルチェ「総選挙よ、総選挙! メイドたちの人気を決める、総選挙があるのよね! なんでも一位には、ご褒美があるとか!」
ご主人様「ああ……」
こうなるから、伝えないでおいたのに。どこかから聞いてきたらしい。
ご主人様「あ、でももう参加締め切っちゃってるんだよね。だから……」
ドルチェ「ふっ……抜かりはないわ。メイド秘書さんに土下座をして、特別にねじ込んで貰ったわ」
ご主人様「えぇ……」
ドルチェ「この、ドルチェが!! 金の匂いのするイベントに参加しない理由もなし!! ねじ込めれば、こちらのものよ!」
ご主人様「自信満々だなぁ……」
まあ、いいかもしれない。どうせこの子は止めようとしても止められないし、せっかくのイベントなのだから。
ご主人様「じゃあわかったよ、まあ俺も応援してるから、頑張ってね」
ドルチェ「もちろんよ! よーし、それじゃあ早速拡声器を用意しなきゃね!」
ご主人様「いらないと思うなぁ……」

Entry37

山本キヌ

成長の過程で舵取りを大きく間違えてしまった、残念な厨二病メイド。格好つけて暗闇によく潜むが、閉所恐怖症なので場所は慎重に選ぶ。

ショートストーリー【山本キヌ】
夜。仕事終わりに眠れずに散歩していると、中庭の暗闇の中からブツブツと呟く声が聞こえた。
キヌ「く……くくく……我が闇の、なんと居心地の良いことよ……!」
ご主人様「……この独特な喋り方は、キヌかな」
そう呟くと、顔を真赤にした女の子が飛び出してきた。
キヌ「ちっ、違う! 何度言えばわかるのだ、オーナーは! 我は……」
ご主人様「ええと……今の厨二ネームは『朱雀・クーゲルシュライバー・ヴァイス・ヴァントリッヒ・キルヒアイゼン』だったっけ」
山本キヌという女の子を一言で言い表すならば、「痛い子」……いや、「ヤバい子」と言ったほうがいいかもしれない。
さしもの俺もここまでではなかったと思うほどに、厨二病がひどい。
キヌ「ふ……ようやく覚えたようだな。オーナー……いや、執行者よ」
ご主人様「(なにを執行するんだろうか……)ところで、その顔はどうしたの?」
キヌの顔は、ところどころぷっくりと腫れ上がり、赤くなってしまっていた。
キヌ「ぬぐ……我が闇の眷属が、我に逆らったのだ。闇の御子と呼ばれる我に歯向かうなど、500年早いというのに……」
ご主人様「……つまり翻訳すると、中庭に居た虫に刺されたってこと?」
キヌ「翻訳するな……! 我の言葉を語り直すなど、愚の骨頂である……!」
ご主人様「別にいいけど、総選挙大丈夫? そんな顔で……素直に部屋にいればいいのに」
キヌ「ぐ、むむ……しかし……あそこは我の闇だから……」
つまり、格好つけるには多少虫に刺されても我慢するしかないらしい。涙ぐましいというか、なんというか……
ご主人様「わかった、中庭からクラブ内に虫が入っても困るし、今度虫除けの薬を撒いておくよ」
キヌ「! ほ、本当か……! くく、これで我が闇はさらに広がる……!」
ご主人様「その代わり、ちゃんと総選挙までに顔を治しておくように。あと広げちゃ駄目だからね、闇」
キヌ「あ、はい……ありがとうございます、オーナー……」

Entry38

狭山 静

物静かですぐに困ってしまう、心優しい無口な褐色メイド。特に体の中に毒を仕込んでいるわけではないらしい。

ショートストーリー【狭山 静】
「ね、ねぇ……ご主人様……ほんき……なの?」
ご主人様「あぁ、俺はいつだって本気だよ」
「そ、そんなこと……言ったって……私……こんなの……無理……」
ご主人様「いいんだよ、恥ずかしがらないで。ほら、大きい声出しちゃってもいいから」
「う、うぅ……で、でも……恥ずかしい……」
ご主人様「ほら、言われた通りに全部言って」
「は、はい……わかりました……え、えっと……狭山静……です。わ、私に……清き一票を……」
ご主人様「カットカット! うーん、やっぱり元気が足りないなぁ」
俺は総選挙に出る事になった狭山静を鍛えるべく、トレーニングルームに来ていた。
「元気……その、すみません……私……やっぱり辞退……します……」
選ばれたからには静の魅力を知ってもらいたい。そう思って引っ込み思案な彼女のためにトレーニングをしようと思ったのだが……
ご主人様「辞退はダメだってば。今回は頑張って最後までやり通そうよ」
「でも、私なんて……き、きっと……誰も選んで……くれない……」
ご主人様「そんなことないって。今はあんまり知られてないかもしれないけど、静ちゃんのことがわかればみんな好きになってくれるよ」
「で、でも……全然喋れない、から……嫌われると思う……」
ご主人様「でも俺は表舞台で頑張ってる静ちゃんが見たいから」
「ご、ご主人様……わ、わかった……ご主人様が、そういうなら……」
ご主人様「うん、大変かもしれないけど一緒に頑張っていこう!」

Entry39

花路凜空

大人しく気弱な無防備お兄ちゃんっ娘メイド。清廉で純白、お気に入りは白い馬のぬいぐるみ。

ショートストーリー【花路凜空】
凜空「ねぇねぇお兄ちゃん、総選挙ってなに?」
俺のところにやってきた花路凜空ちゃんが、上目遣いでこちらを見ながら尋ねてきた。
ご主人様「そうだね、沢山のメイドさんの中から一番のメイドさんを決める、って感じかな」
凜空「ふうん。じゃあ凜空も一番になれるかもしれないの?」
ご主人様「うん、もちろん。凜空ちゃんなら一番になれる可能性も高そうだなぁ」
凜空「そうなの? でも凜空何したらいいかわかんないよ?」
ご主人様「うーん、そうだなぁ。特に何もしないでもいいとは思うんだけど……」
しかし凜空ちゃんの魅力を引き出すためにも、俺がプロデュースしてあげないといけないかもしれない。
ご主人様「よし、じゃあ試しに俺の顔をじっと見ながら、お兄ちゃんって言ってみてくれないか?」
凜空「それだけでいいの?」
ご主人様「うん、試しに言ってみて欲しいな」
凜空「わかった。行くね? …………お兄ちゃん?」
ご主人様「うぐっ……!」
凜空「ど、どうしたのお兄ちゃん、急にお胸を抑えて大丈夫? 具合悪い?」
ご主人様「い、いや大丈夫だよ。それじゃあ次は私に入れてくれるって囁いて見てくれるかな」
凜空「うん、わかった。えっと……お兄ちゃん、私に入れてくれる……?」
ご主人様「ぐわあああ!」
凜空「お、お兄ちゃん本当に大丈夫なの……?」
ご主人様「う、うん……俺のことは何も気にしないで……そんなことよりこれなら凜空ちゃんが一番間違いなしだよ」
凜空「え、そうなの……? 凜空まだ何にもしてないと思うんだけど……」

Entry40

遠山 金

裁きそうな名前をしておきながら、その実態は裁かれる側な極道娘メイド。もうすぐ夏なのでスイカ割りとプールを楽しみにしている。

ショートストーリー【遠山 金】
「おうオーナーさん、どうやら総選挙とやらがあるらしいじゃねぇか」
仕事中の遠山金が、俺の姿を見かけるなり陽気に話しかけてきた。
ご主人様「うん、そうだね。この話をするってことはもしかして……」
「ははっ、察しがいいな。オレも出る事になったんで一つ挨拶しとこうかと思ってな」
ご主人様「でるのはいいんだけど、その……色々と大丈夫なの?」
「ん? 実家の話か? それは気にすんなって、もう昔にケリはつけてきたんだからよ」
ご主人様「そっか、それならいいの……かな?」
「それでだ、これでてっぺんになればオレも頭領になれるってことでいいんだよな?」
ご主人様「え、なにその話。頭領ってなに」
「ん? 素敵なご褒美があるって噂に聞いたからよ、てっきりメイドを束ねる頭領にでもなれると思ったんだが……」
ご主人様「なにその謎の解釈。そんなご褒美じゃなくて、単純に一番になったら自分専用の楽曲が貰えるんだよ」
「なんだ、頭領にはなれねぇのか……でも自分の楽曲か。それもそれで面白そうじゃねぇか!」
ご主人様「勝手な想像だけど演歌とか歌いそうだよね」
「演歌か、確かにオレらしさがでてていいかもしれねえな!」
ご主人様「うん、それぐらい自由な感じでいいから」
「だったらやっぱりオレが頭領になるのがいいんだけどよ……」
ご主人様「うーん、頭領になるならもうメイド秘書をどうにかするしかないんじゃないかな……」

Entry41

キューコ

あやかしの世界から降臨、恐怖ののじゃロリ狐耳メイド。恐怖する要素が一切ないのは黙っておこう。

ショートストーリー【キューコ】
ご主人様「キューコも総選挙に出るらしいね」
仕事の合間に時間がありそうなキューコを見つけたので、話を聞いてみることにする。
キューコ「おお、ご主人様。その通りなのじゃ」
ご主人様「やっぱりアピールポイントとしてはその耳なのかな?」
キューコ「ふふふ、やはりご主人様は目の付け所がいいのじゃ。その通り、わらわのこのおしゃれな耳でみんなをとりこにするのじゃ」
ご主人様「おお〜いいね。やっぱり最近流行ってるからね」
キューコ「最近流行ってる……? なんのことじゃ……?」
ご主人様「あ、いやいや。なんでもないなんでもない」
キューコ「? おかしなご主人様なのじゃ……」
ご主人様「それで、もし一位になったらご褒美があるんだけど……」
キューコ「そうじゃ、それじゃ! 何やらわらわのてーまそんぐを作ってもらえるとのことらしいんじゃが」
ご主人様>「そうだね。キューコちゃんはどんなのにするの?」
キューコ「まだ考えてはないんじゃが、やっぱり楽しくなれる曲がいいのう」
ご主人様「うんうん、のじゃ口調の曲は需要があるからね」
キューコ「? またご主人様がよくわからないことを言っておるのじゃ……」
ご主人様「あ、そうだもし一位になれたらそのもふもふを堪能させて欲しいんだけど……」
キューコ「なっ、わらわのこれを……!? 確かに一位になれたらそれぐらいめでたいことかもしれんが……」
ご主人様「お願い! 俺もキューコちゃんをもふもふしたいんだ!」
キューコ「う、うう……そんなにいうなら、まぁ触らせてやらんでもないが……」
ご主人様「やった! よし、いまからキューコちゃんを一位にするための根回しを始めないと……」
キューコ「こら! ご主人様! 不正はダメじゃ不正は!」

Entry42

マリー

他のエンパイアクラブから派遣されてきた、謎のベテランメイド。冷静でなんでもそつなくこなすが、彼女の目には時々寂しそうな影がさす。

ショートストーリー【マリー】
マリー「なぜ……私がオーナー様のクラブの総選挙に出場するのでしょうか?」
ご主人様「はは……まあ、一時的にとはいえ、来てもらってるからね」
総選挙の候補者に選ばれたことを伝えると、マリーさんは戸惑ったような表情を見せた。
彼女……明智マリーさんは、訳あってうちに来てもらっている外部のメイドだ。
明智秀一というオーナーと結婚している人で、度々来てもらっては仕事の手伝いをしてもらっている関係だった。
ご主人様「一部で要望があってね。ぜひ出てもらいたいとのことだったから」
マリー「それは何よりですが……私は、そんな……」
ご主人様「一応、これも仕事の一つってことで……駄目かな?」
聞くと、マリーさんは首を横に振った。
マリー「いえ、それで構いません。きっと秀一様も、やれと仰られると思いますから」
ご主人様「うん、よろしく頼むよ」
ひとまず承諾は得たので、総選挙について資料を渡しながら説明をする。
すると、マリーさんは資料の一部を指さした。
マリー「あの……これは? ご褒美、とありますが……」
ご主人様「ああ……最近は、メイドのアイドルが多いから。一位を取ったメイドには、専用の楽曲が贈られるんだ」
マリー「……! 専用の……?」
マリーさんの目の色が、少しだけ変わる。
マリー「……そうすれば……秀一様は、私を見てくださるでしょうか」
ご主人様「え?」
悲しげに呟くマリーさんの声は、よく聞こえなかった。聞き返すと、何事もなかったかのようにいつもの微笑みを見せる。
マリー「いえ……なんでもありません。私なりに、全力を尽くさせて頂きますね」
TOP